この項目は、一応作品を観た方のみに読んで欲しいです。

私は作品を作る上で、「せっかく作ったなら褒めて欲しい」というよこしまな気持ちを持っている。もちろん本当に褒められるかどうかは別で。だから出来上がれば「発表する=人に観せる」という前提がある訳だが、ものすごく基本的な部分として、私は私の不満を解消する為に、作品を作っている。

今回ハナウタで解消させたかったのは、「もてないからビアン」と、「女なら誰でもいい」である。それがあの作品のどこに表れているかと言うと、まず「もてないからビアン」。これはどういうことかと言えば、「男にモテないから女に走った。」世の中にはこんなことを考えているボンクラがいる訳だ。いわゆる美人さんやかわいこちゃんのビアンなんていっぱいいる。顔だけの話で申し訳ないが。まあとにかく男にモテるモテないは、セクシュアリティとは関係ないのだ。だからそれらの不満を解消する為に、プラス今までの日本のビアン作品で、かわいい子ってあまり観たことがない、という不満の解消の為に、めちゃめちゃかわいい子をキャスティングしてみた。それも個人の好みのレベルを超えて、誰が見てもかわいいと思える子。私の好みだと幸薄そうなオールドミスタイプに走ってしまうのでね。で、今回出演してくれたミナミちゃんとminaちゃんは本当にかわいいのだ。実物に会いましたかね?実にプリティな2人なのだ。でもminaちゃんには少々悪いことをしました。だって実際のminaちゃんとはものすごく違うタイプの役柄だったもので。でもがんばってかわいく演じてくれました。ありがとう。
 
んで次に「女なら誰でもいい」。たまにカムアウトしたら、私のことを襲わないで的な態度に出られた、という話を聞く。アホか。こっちにも好みはあるのだ。当たり前の話。この不満を解消する為に考えたのは、キーワードとなったビデオとCDのセレクションである。要するに、趣味が合う人同士なのよあの2人は。ビアンもののビデオとCDは他にもあるけど、あれを選んだってところに、好感を持つの。女だからって誰でもいい訳じゃないし、ただビアンだからといって声をかけた訳じゃないのだ。 5分という短さの為、不満の解消法がものすごく単純だけどね…。そして皆にはその辺、伝わってないと思うけど…。

そしてもう一つ裏話を。作品の途中、クイアなビデオをパタパタと倒していくシーンがありましたな?あれ、脚本初稿ではなかったシーンなのだ。あと一味、ということで脳みそをぎゅうぎゅうに絞って考えたシーンなのだけど、あれはね、小さな革命なんですよ。何を言い出すんだ私は。店内に無数にあるビデオ達をヘテロ社会と例え、その中にいる普段は埋もれていることが多いクイアなビデオ達を、表にする。見える存在にしていく。あの出会いでちょっぴり前向きな、元気な気持ちになった主人公が起こす小さな革命。カムアウト。ま、そんな感じ。
 ビデオ屋さんでのクイアビデオの置き方にはおもしろい傾向があって、大きいビデオ屋さんになると、クイアビデオも増える。そうなると「クイアムービー」などと枠付けをされて、ひとまとめにされる。小さなビデオ屋さんでは、今回の舞台のように、普通に他のビデオに紛れ込んでる。私が思うに、大きな都市ほど、おいら達のコミュニティが出来るよね。でも、地方ではそこまでには至らず、存在はしているけれど、紛れている。似てませんか? 私はゆくゆくは、大きなビデオ屋さんでも「クイアムービー」という枠付けなしで、一つの「映画」としてそれぞれラブストーリーやコメディなどにジャンル分けしてもらいたいと思う。それは紛れて存在しているのではなく、そういう作品が当たり前に、たっくさんビデオ屋さんに並んでいる風景。それはつまり…。どですかね。それにはいい作品、いっぱい作らなきゃね。iri良いこと言った?