さて、イキナリ暴露してしまうが、「SHINKANSEN」は上映の1時間前に完成しました。この綱渡り。どうよ。私は久しぶりに完徹をし、前日の夕方からその修羅場の一部始終をずっと側で見ていた。正直、よく完成したと思う。まだこれから直しを入れなければならない部分はあるけれど、あの悲惨な状況の中、よく上映に耐えうる状態に持って行けたな、と。なにせ10人の監督による10作品+オープニング+エンディングだ。そしてパソコン=マックだ。予想外の出来事の嵐。いまさん、いわさんはすごいのだ。ま、私は根拠のない自信で絶対に完成すると思っていたけど。呑気だね。

今回いまさんといわさんが「SHINKANSEN」を企画立案した背景には様々なことがある訳だが、私はそのすべてに賛同している。んで、その中からL&G映画祭のスタンスについてのお話を、私の見解から一つ。
日本のL&G映画祭は、はっきり言ってインディーズに優しくない映画祭です。いや、文頭に「最近の」という言葉を付け加えた方が良いかな?映画祭の第4回〜7回まではコンテストという形で、公募作品に対して広く間口が広げられておりました。(しかもその後の配給サポート+賞金付き!)しかし残念ながらその後はコンテスト自体がなくなり、さらにホールでの公募作品のプログラムもなくなってしまいました。私が作品を作り始めたのは第8回からなので、ちょうどその時期…ついていない…。
そして、昨年度よりやっと復活してくれた公募プログラム。皆さんはご覧になられましたかね?まあ、私的には非常に楽しみにしていた訳ですが、作品の内容についてはちょっと不満が残るものばかりでした。それに比べ、今年開催された映画祭関連イベント「REEL」では、これまでの、ホールでの上映には至らなかった公募作品達を公開していたのですが、これがなかなか、小粒ながらもおもしろい作品ばかりでした。まず、どうしてこれらの作品の応募があったのに、公募作品のプログラムがなくなってしまっていたのか。そしてどうしてこれらの作品が落選して、あの作品たちが上映されたのか…。この、自分が観たい作品とプログラミングされた作品との間の溝。
さらに今年、映画祭は今回の「隣のデキごと」プログラムを「売りがない」と思っていたようです。
映画祭が好むのは、「キチン」と完成された「有名な」作品。まあ、それは分かる。お客様からお金を取って上映する作品だものね。それに、映画祭が大きくなるにつれての客層の変化。でもね…皆さんは、L&G映画祭で、どんな作品を観たいですか?私は、多少技術的に問題があっても、"レズビアンである自分が楽しめる作品"が観たいです。技術よりも、内容重視。作品の魂重視。そして日本作品。そういう作品を上映する意味。私はL&G映画祭は、ただの映画祭とは思っていない。その存在の意味。だからこそ、L&G映画祭には、インディーズを育成する面も持って欲しいのである。もちろん全部のプログラムをその方向で、などとは思っていないけど。要はバランスなのだけどね。
ちなみに「REEL」は、映画祭が企画したイベントではなく、小倉さんが一人でがんばって実現させたイベントです。小倉さんがこの貴重なイベントを企画するに至った思いには、非常に共感しました。そしてこのイベントを見事に実現したということは、まさに代弁してくれたという感じで、感動すら覚えました。

で、「SHINKANSEN」。この作品は、ある意味映画祭への挑戦状でありました。インディーズの日本作品。「映画祭好みのセールスポイント」なんて全然ないし、映画祭からの期待も薄いけど、「自分たちが観たいと思うもの」の力を信じ、お客を呼んでやる!いわさんといまさんは出来る限りの宣伝活動をがんばっておりました。そして、見事、成功です。今回の映画祭中、一番の客入りだったそうです。オープニングよりもクロージングよりも、どの作品よりも一番。しかも、歴代2位の客入りだとか!いまさん、いわさん、やったね。うまく言葉にできないけど、私のありったけの祝福と尊敬を捧げます。そして、これを期に映画祭が少しでも気付いてくれたらいい。私は映画祭に対する愛、思い入れは非常にあります。なんせ業界入りの第一歩の地だし。だからこそ、これからもっともっといい映画祭になって行って欲しいのだ。「いい映画祭」の意味を見極めつつ。おいらもその為の力になれたらいいと思う。

しかしお2人には、前回の長編を作る苦労に続き、今回はプロデューサーという立場の苦労を間近で感じさせてもらいました。でもその苦労以上に感じさせてもらったのは、完成した時の言葉にならないこの気持ちである。ハイ、うまくまとめました。